愛を知って涙に幸あれ。

新しい名刺と社員証を渡された幹ちゃんは「社長、用意が早過ぎますよ。」と笑い、紺野社長は「幹太ならオーケーしてくれると思ったから!」と言った。

わたしは、「幹ちゃん、おめでとう。」と言った。

「ありがとう。」

そう言う幹ちゃんはちょっと照れくさそうで、わたしたちは微笑み合った。

そのあと、他の社員の人たちに紺野社長から幹ちゃんがお兄ちゃんの後任として、主任になることが発表され、幹ちゃんは早速「比護主任〜!」と呼ばれ、「うるせーよ。」と照れ隠しをしていた。

そしてその日の帰り、わたしたちは帰宅途中でスーパーに寄り、数日分の食材と幹ちゃんが主任に昇進したお祝いをする為のスパークリングワインを買って帰宅した。

わたしは帰宅すると、真っ先にお兄ちゃんの写真の前に行った。

「お兄ちゃん、幹ちゃんがお兄ちゃんの後任として主任になったよ。」

そう報告すると、特にお兄ちゃんから何もリアクションはなかったが、写真の中のお兄ちゃんは喜んでいるような気がした。

「さて!ご飯作らなきゃ〜!今日はわたしが作るからね?」
「はい、じゃあお願いします。」
「てか、本当にオムライスでいいの?」
「うん。優莉の作ったオムライスが食べたい。それか、変更がきくなら、優莉を〜」
「あー!じゃあ、オムライス作るね〜!」

そんな会話をしながらわたしはご飯支度に取り掛かり、幹ちゃんはわたしの反応に笑いながら、洗濯をしてくれた。

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