愛を知って涙に幸あれ。

「幹ちゃーん、ご飯出来たよー!」

洗濯後にソファーに座って寛いで待っていた幹ちゃんに声を掛けると、幹ちゃんは「おっ、待ってました。」と言い、ソファーから立ち上がって食卓テーブルの方へ歩み寄って来た。

「ケチャップかけるけど、どうする?」

わたしがそう訊くと、幹ちゃんは「ハートがいい。オムライスにハートって、ちょっと憧れてたんだ。」と言った。

「ハートね!上手くかけるかなぁ〜。」

そう言って、わたしはケチャップのハートに挑戦する。

すると、若干歪になってしまったが、一応ハートが描けた。

「あぁ〜、ちょっと微妙だね。ごめん。」
「上手くかけたじゃん!記念に写真撮っとこ。」

そう言って、幹ちゃんはスマホを手に取り、わたしが作ったオムライスの写真を撮った。

「どう?撮れた?」

わたしがそう訊いて、幹ちゃんのスマホを覗き込むと、わたしは今撮ったばかりのその写真を見てハッとした。

それは幹ちゃんも同じで、今撮ったオムライスの写真を見つめていた。

「これ、、、お兄ちゃん、だよね?」
「うん、だよな。」

そう、今撮ったオムライスの写真の端にピースをする手が写り込んでおり、その手は紛れも無くお兄ちゃんの手だったのだ。

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