愛を知って涙に幸あれ。
すると、トイレのドアがノックされた。
「優莉?大丈夫か?やっぱり具合悪いのか?」
なかなか出て来ないわたしを心配して、幹ちゃんが声を掛けにきた。
わたしはトイレを流してから、妊娠検査薬を後ろに隠しながらドアを開けた。
ドアを開けた、すぐ目の前には心配そうな表情を゙した幹ちゃんが立っていた。
「優莉、大丈夫?」
「、、、幹ちゃん。」
「ん?」
「見て!」
わたしはそう言って、妊娠検査薬を幹ちゃんの目の前に出した。
幹ちゃんはそれを見て、一瞬よく分からないような表情を浮かべたが、すぐに「え?これって、、、」と言い、妊娠検査薬を手に取った。
「妊娠検査薬。」
「え?」
「実は、今日仕事中に目眩がして、社長室で休みながら仕事してたの。」
「え、そうだったのか?!」
「うん。でね、紺野社長がある事に勘付いて急いで薬局に行って来てくれたの。」
「あ、だから途中で紺野社長が出掛けて行ったのか。」
「それが、これ。」
わたしがそう言うと、幹ちゃんは妊娠検査薬に視線を落とした。
「幹ちゃん。線が二本だったら、陽性なんだって。」
「線が二本だったら、陽性、、、。線、二本出てるぞ。ってことは、、、」
幹ちゃんはそう言うと、わたしの方を見た。
「わたし、妊娠したみたい。」
わたしの言葉に幹ちゃんは涙ぐんで、それからわたしを抱き締めた。
「優莉、、、ありがとう。」
「幹ちゃん、わたしたち、パパとママになるんだよ!」
幹ちゃんはわたしを抱き締めたまま「優莉、、、家族が増えるって、こんなに嬉しいことなんだな。」と言いながら、わたしに隠れて涙を拭いていた。