愛を知って涙に幸あれ。
「比護さん!もう頭出てきてるよ!あと一回いきんでみようか!」
助産師さんにそう言われ、わたしは次の陣痛でもう疲れ切っている身体に最後の力を込めていきんだ。
すると、「はーい、もういきまなくていいよ!力抜いて!」と助産師さんが言ったあと「はーい!赤ちゃん産まれまーす!」という言葉と共にわたしの足の間から真っ赤でしわくちゃな我が子の姿が見えた。
「元気な男の子ですよー!」
産まれた瞬間から大きな産声を上げ、わたしは"産まれたぁ"という安心感と、その次に自分のお腹の上に乗せてもらった我が子を見て、"この子がお腹にいたんだぁ"と神秘的な瞬間に涙が溢れてきた。
「はぁ、、、頑張ったねぇ。」
わたしは我が子にそう声を掛けながら、頭を撫でた。
そのそばでは、幹ちゃんが静かに泣いていて、わたしの頭を撫でながら「優莉、頑張ったな。ありがとう、、、ありがとう、、、」と言っては、一緒に我が子を見つめた。
その後、我が子は綺麗にしてもらったり、小児科の先生の診察がある為に一度預かってもらった。
次に我が子と対面出来たのは、病室に戻ってからだった。
小さな小さな愛しい存在にやっと会えた嬉しさと、この子がわたしたちの子なんだ、という何だかまだ不思議な気持ちと、色んな感情があった。
最初はわたしが抱っこしていたが、わたしは幹ちゃんに命の重さと家族が増えた実感を感じてもらいたくて、我が子を幹ちゃんに「抱っこしてあげて?」と託した。
幹ちゃんは恐る恐る我が子をぎこちなく抱っこすると、愛しそうに見つめていた。