魔術罠師と猛犬娘/~と犬魔法ete
村の財源は印刷と鉄器・石器と製薬?/犬鳴姉弟の新生活inリベリオ屯田兵村(3)
1
朝、本棚の横の簡易ベッドで目覚めたらば。
トラは体の上に、「デカ犬」が両前足を広げて覆い被さるように乗っていた。心地よい重みと温かさの「生犬布団」されており、なんだか所有権や領有権を暗黙に主張したり、愛の抱きつきするがごとく。
この犬こそは、ロフトの寝床で寝ているはずの犬鳴ルパだろう。首のネックレスからしても、ご本人の変身した姿であると当たりがつく。
(ルパ?)
目を白黒させつつも、トラとしてはあながち不快ではない。
向かいの長椅子の仮ベッドから起き上がったレトがまだ寝ぼけまなこで、姉の来襲に気づいて「お姉ちゃん」と呟く。トラに向いて言うことには。
「それ、お姉ちゃんです」
「うん」
「人の姿だと照れて恥ずかしいから、そんな犬になった格好で甘えてるんですよ。昨日、焼きもちしてたみたいですから」
「え? んん、そうなのか?」
デカ犬になったルパは、薄い黒い唇とキュートな鼻とあごで「へへっ」と笑う。トラの顔にキスして「参ったか!」の笑顔。なお変身したときには人間だったら全裸なのと同じであったりする。
彼女は横目でチラリとレトも見やった。
(我が弟レトよ、お前は全然悪くない。お前に罪があるわけではない。でも今ばかりはちょっとだけ邪魔で疎ましい。まさかお前の見ている前で、変身解除して男に丸裸を投げ出すわけにゃいかないし、トラだって遠慮したり困るだろうし)
この男、けっしてルパのことを嫌っているわけではないだろうし、好いてさえいる。それなのに慎重になったり遠慮しているのか(男性経験のない処女のせいで余計に?)、その面ではあんまり積極的に迫ったりエスコートしてくれない。
こっちは「いつキスされたり押し倒されるのか」と、期待と不安で待ち受けているのに。弟と三人で一緒にいるこの生活は嫌ではないのだけれど、どこか物足りなさを感じなくもない。
ルパにとって内心に心配事なのは、よそのそこいらの女に彼をとられること。トラの調子では、何かの拍子に適当な女とつがいかねず、既成事実が重なってそのまま奪われたらルパにとっては最悪の展開だろう。
(手の焼ける人、まったく!)
まるで困った主人を気遣う愛犬・忠犬になったがごとく、こうして「大好きで抱きつきホールド」でマーキングと臭い付けのおまじないでもしておかねば、気が済まないし心も休まらない。ルパは尻尾を揺らしながら「ヴウ」っと、訴えるように柔らかな小声で唸りかけた。
2
トラにとっては、初対面で顔より先に生尻と不浄の菊を突きつけ晒した女、犬鳴ルパ。素っ裸なのも忘れて必死になって、山賊のギャングのテントで金目のものを漁り探して血眼になっている最中だった。強烈な誘惑力のショックを受けながらも、「この女って大丈夫なのか?」と心の中で一抹の不安を覚えつつ、過去に見慣れた犬の尻を思い出して微笑ましい、何とも言えない気持ちにさせられた。しかも直前まで犬(狼)になりすまして甘え倒して戯れまくっていた正体の、獣エルフのうら若き乙女であった。
(弟のレト君は賢くて上品でまともそうだし、キョウコさんとも仲の良い友達らしいから、悪い子じゃなさげだけどなあ。でもレト君のお姉ちゃんでおまけに処女らしいから、あんまりホイホイ軽々しく手を出して良いものやら?)
どちらかと言えば好き。容姿や性格も許容範囲でぼちぼち好みだし、弟と友人関係からも本人のことは察せられる。彼なりに気を遣った配慮や後々を考えて慎重になってしまい、ポンポンと手を出していいかずっと迷っていたものの、手放すには惜しいのが本音。
トラにとっては幸福な課題なのが、この狼娘のルパとの関係。ひとまずモフモフして耳元に空キスして「いにゅ」と囁いてやると、尻尾を振って笑顔になって慕わしげに小さく吠えた。
朝、本棚の横の簡易ベッドで目覚めたらば。
トラは体の上に、「デカ犬」が両前足を広げて覆い被さるように乗っていた。心地よい重みと温かさの「生犬布団」されており、なんだか所有権や領有権を暗黙に主張したり、愛の抱きつきするがごとく。
この犬こそは、ロフトの寝床で寝ているはずの犬鳴ルパだろう。首のネックレスからしても、ご本人の変身した姿であると当たりがつく。
(ルパ?)
目を白黒させつつも、トラとしてはあながち不快ではない。
向かいの長椅子の仮ベッドから起き上がったレトがまだ寝ぼけまなこで、姉の来襲に気づいて「お姉ちゃん」と呟く。トラに向いて言うことには。
「それ、お姉ちゃんです」
「うん」
「人の姿だと照れて恥ずかしいから、そんな犬になった格好で甘えてるんですよ。昨日、焼きもちしてたみたいですから」
「え? んん、そうなのか?」
デカ犬になったルパは、薄い黒い唇とキュートな鼻とあごで「へへっ」と笑う。トラの顔にキスして「参ったか!」の笑顔。なお変身したときには人間だったら全裸なのと同じであったりする。
彼女は横目でチラリとレトも見やった。
(我が弟レトよ、お前は全然悪くない。お前に罪があるわけではない。でも今ばかりはちょっとだけ邪魔で疎ましい。まさかお前の見ている前で、変身解除して男に丸裸を投げ出すわけにゃいかないし、トラだって遠慮したり困るだろうし)
この男、けっしてルパのことを嫌っているわけではないだろうし、好いてさえいる。それなのに慎重になったり遠慮しているのか(男性経験のない処女のせいで余計に?)、その面ではあんまり積極的に迫ったりエスコートしてくれない。
こっちは「いつキスされたり押し倒されるのか」と、期待と不安で待ち受けているのに。弟と三人で一緒にいるこの生活は嫌ではないのだけれど、どこか物足りなさを感じなくもない。
ルパにとって内心に心配事なのは、よそのそこいらの女に彼をとられること。トラの調子では、何かの拍子に適当な女とつがいかねず、既成事実が重なってそのまま奪われたらルパにとっては最悪の展開だろう。
(手の焼ける人、まったく!)
まるで困った主人を気遣う愛犬・忠犬になったがごとく、こうして「大好きで抱きつきホールド」でマーキングと臭い付けのおまじないでもしておかねば、気が済まないし心も休まらない。ルパは尻尾を揺らしながら「ヴウ」っと、訴えるように柔らかな小声で唸りかけた。
2
トラにとっては、初対面で顔より先に生尻と不浄の菊を突きつけ晒した女、犬鳴ルパ。素っ裸なのも忘れて必死になって、山賊のギャングのテントで金目のものを漁り探して血眼になっている最中だった。強烈な誘惑力のショックを受けながらも、「この女って大丈夫なのか?」と心の中で一抹の不安を覚えつつ、過去に見慣れた犬の尻を思い出して微笑ましい、何とも言えない気持ちにさせられた。しかも直前まで犬(狼)になりすまして甘え倒して戯れまくっていた正体の、獣エルフのうら若き乙女であった。
(弟のレト君は賢くて上品でまともそうだし、キョウコさんとも仲の良い友達らしいから、悪い子じゃなさげだけどなあ。でもレト君のお姉ちゃんでおまけに処女らしいから、あんまりホイホイ軽々しく手を出して良いものやら?)
どちらかと言えば好き。容姿や性格も許容範囲でぼちぼち好みだし、弟と友人関係からも本人のことは察せられる。彼なりに気を遣った配慮や後々を考えて慎重になってしまい、ポンポンと手を出していいかずっと迷っていたものの、手放すには惜しいのが本音。
トラにとっては幸福な課題なのが、この狼娘のルパとの関係。ひとまずモフモフして耳元に空キスして「いにゅ」と囁いてやると、尻尾を振って笑顔になって慕わしげに小さく吠えた。