姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 木陰に設えられたベンチにふたり並んで腰かける。ひと呼吸置き、フィアンナが緊張の面持ちで切りだした。
「ねぇジンガルド、あなたは私が草木や花と意思の疎通が出来るのだと言ったらなんの冗談だと笑うかしら?」
「いいや。そうだろうなと頷くだけだ。それと同時に俺は今、喜びを噛みしめているよ」
 フィアンナは俺の答えが予想外だったのか、パチパチと目を瞬く。
「喜び?」
「君が俺のことを秘密を打ち明けるに足る男だと認めてくれたということだろう? これが嬉しくないはずがない」
 俺の答えにフィアンナがパッと頬を朱色に染める。
「あなたは私の言葉を微塵も疑わないのね」
 照れているのか、彼女は少し視線を泳がせてからポソリとこぼした。
「疑う余地がないからな。君は光の神に愛された存在だ。草木や花と意思疎通できたとて、なんら不思議はない」
 フィアンナが息をのむ。
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