姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「公表はしない。君の影響力は『少しでも役に』なんてレベルではなく大きいんだ。それを国内外に知らしめて、万が一にも君の奪い合いが起こるような事態は避けたい」
 フィアンナの身の安全が脅かされるリスク。それを呼び込んでまで享受したい益などない。
 もちろん、いずれは気づく者が出てくるかもしれない。それでも現状、俺が選ぶのは沈黙を守る道だ。
 断固として告げた俺に、フィアンナは強張った表情で首を縦に振った。
「愚かな父がこれを知れば、きっと私を取り戻そうと躍起になるわ」
「まぁ、そうなるだろうな」
「……私、サドニア神聖王国から光の加護が遠ざかる可能性を分かっていて嫁いできたの。それどころか『もう知ったことか』って、見切りをつけたつもりだった。実際、今でも父や高官たちなんてどうなってもいいって思ってる。でも、こうして国民が喘いでいる現実を突きつけられたら、どうしようもなく胸が苦しい」
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