姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 ジンガルドのエスコートで、各テーブルへと足を運ぶ。
 基本的にはジンガルドが主に言葉を交わし、私はそれに相槌を打ちながら微笑んでいればいい。けれど、夫婦など男女連れの列席者が相手だと、自然とジンガルドが男性の相手をし、私が女性の相手をすることになる。そういう時はやや神経を使いつつ、順調にテーブルを回っていった。
 そうして、関係各国の要人らが集うテーブルで最後に声をかけた男女ふたり連れは、隣国レガロン王国からの賓客だった。
「ドラン王子、ルクレツィア王女、よく来てくれた」
「ジンガルド皇帝陛下、フィアンナ王女殿下、この度はおめでとうございます。このようにお美しい妃殿下を迎えられる陛下が本当に羨ましい。時に陛下、──」
 最初の挨拶の後は、案の定ジンガルドがドラン王子と話しはじめ、私は自ずとルクレツィア王女と向き合うことになる。
< 157 / 223 >

この作品をシェア

pagetop