姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「ジンガルド陛下の隣に立つに相応しいのは、幼少期より王女教育に勤しんできたこのわたくしです! あなたはさっさと自国にお帰りなさい! 下賤の女が生んだ頭の弱い王女など、ジンガルド陛下に相応しくありませんわ!」
 興奮して喚き立てるルクレツィア王女は気づいていない。彼女のすぐ後ろに立つ、憤怒に顔を歪めた男の存在に。
「口を慎め。私の妃への侮辱、これ以上は許さん」
 地を這うような声音に、ルクレツィア王女がビクンと肩を跳ねさせて振り返る。
 ジンガルドを認めた王女は若干怯んだ様子だったが、果敢にもさらに唇を開く。
「ジンガルド陛下、ちょうどよいところにいらっしゃいました! サドニア神聖王国の第四王女は、下女の生んだ不義の子で、頭が弱く、とても陛下の妃が務まる器では──」
「衛兵、この女を摘まみだせ」
 ジンガルドはルクレツィア王女に最後まで言わせず、衛兵に指示する。
< 161 / 223 >

この作品をシェア

pagetop