姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「どうしよう。私が光の乙女だという事実が晒されてしまったわ」
 小さくこぼせば、彼はすべて分かっているというように包容力たっぷりに頷く。
「大丈夫だ、フィアンナ。君を脅かすすべてから、全身全霊で俺が守る」
「……ジンガルド」
「たしかに明かされたことで危険はあるかもしれない。だが、それとて可能性の話で、過剰に怯える必要はない。なに、取り得る対策を講じ、備えを盤石にすればいいだけの話だ」
 ジンガルドの揺るぎない態度が、私の中に燻る不安を払拭する。
「君も知っているだろう? 俺は『野獣皇帝』と他国から恐れられているんだ。野獣皇帝の宝を奪おうとする胆力ある者が、さてどれだけいるかな?」
 私を勇気づけるように、ジンガルドはあえて軽い調子で告げた。
 だけどこの時、私は彼が口にした一語に目頭を熱くしていた。
「……私が、あなたの宝?」
「もちろんだ。君は俺の手中の珠だ」
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