姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 南に広がる彼の地域は帝国の穀倉庫だ。そして、テカロン地方から帝都に繋がる道は、各国から帝都を目指すのに欠かせない大動脈でもある。
「大変じゃないの! エリックさん、すぐにジンガルドに面会できるか聞いてきてくれる?」
「は?」
 私の指示に、なぜかエリックさんは戸惑った様子を見せた。
「だって、小競り合いで街道の封鎖が予想されるでしょう? 念のため、挙式の延期を各国に向けて発表した方がいいわ」
「お待ちください! 被害はごく小規模で、挙式を延期するような事態にはなりません!!」
 エリックさんから焦ったように主張され、私はコテンと首を横に傾げる。そうして一拍の間を置いて頷いた。
「……まぁ、そうなの。そういうことなら面会はいらないわね」
「はい! 我が軍がすぐに制圧しますので、フィアンナ様のご心配には及びません」
 エリックさんは目に見えてホッとした様子を見せた。
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