姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「それで、フィアンナ様にはどのようにお伝えになるのですか? まさか、なにも伝えずに城を空けるわけにはいきませんよね」
「フィアンナには、『急な外交交渉でレガロン王国に行くことになった』とそう伝える」
「なるほど、ドラン王子に口裏を合わせてもらうのですね」
「ああ。ルクレツィア王女の件を不問とすると伝えた際、なにかあればその時は必ず力になると言ってくれていたからな。そちらで体調を崩し、休養させてもらうことにする」
事の核心に触れる言葉はまだ語られない。だけど、現状知り得る情報の欠片を繋ぎ合わせ、不足分を想像で補えば自ずと知れる。もう、すべて察しはついていた。
私は息を殺し、ふたりの続く会話に耳をそばだてる。
「……よろしいのですか? 後からすべてお知りになった時、きっとフィアンナ様は烈火のごとく怒りますよ? 許してもらうのは、たぶんとんでもなく骨が折れます」
「フィアンナには、『急な外交交渉でレガロン王国に行くことになった』とそう伝える」
「なるほど、ドラン王子に口裏を合わせてもらうのですね」
「ああ。ルクレツィア王女の件を不問とすると伝えた際、なにかあればその時は必ず力になると言ってくれていたからな。そちらで体調を崩し、休養させてもらうことにする」
事の核心に触れる言葉はまだ語られない。だけど、現状知り得る情報の欠片を繋ぎ合わせ、不足分を想像で補えば自ずと知れる。もう、すべて察しはついていた。
私は息を殺し、ふたりの続く会話に耳をそばだてる。
「……よろしいのですか? 後からすべてお知りになった時、きっとフィアンナ様は烈火のごとく怒りますよ? 許してもらうのは、たぶんとんでもなく骨が折れます」