姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?

「ルクレツィア王女、そう言ってもらえると嬉しいわ。今日は来てくれてありがとう」
「フィアンナ皇妃殿下、この度はおめでとうございます。本当に素敵な皇妃様におなりです。今頃、祖父母も神の庭で大喜びしておりますわ」
　ルクレツィア王女の隣に立つドロシー先生からも祝福の言葉を貰う。
　一見不思議な組み合わせに思えるが、なんとルクレツィア王女、『お姉様のような才女になるべく、わたくしも勉学に励みますわ！』と息巻いて、今は領事館に滞在しながらドロシー先生に師事しているのだ。
「ドロシー先生、ありがとうございます。そうですね、きっとロアンとテレサも祝福してくれていると思います」
　ここでドラン王子とドロシー先生の旦那様であるベルドナーレ公爵と挨拶を交わしていたジンガルドが、私たちの方に向き直る。