姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「ルクレツィア王女、ベルドナーレ公爵夫人、ふたりとも本日の列席に感謝する。しかし、ルクレツィア王女はいまだ成人に至らぬ身。あまり長くこちらに留まっていては、お父上が心配されるのではないかな?」
「まぁ、陛下。ご心配いただき恐縮でございます。しかしながら父はわたくしの自主性を尊重し、この国で学問を追及することを応援してくれておりますの。ですので、ご心配には及びませんわ」
 ルクレツィア王女の答えにジンガルドは苦笑した。
 蛇足だが、ジンガルドはルクレツィア王女がこの国に留まることに否定的だ。それっぽい正論をいろいろ並べてはいるが、本当のところは連日のように私にチョコレートを貢ぎにやって来るのを邪魔に思っているのでは?と疑っている。
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