姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 そのままふたりと少し話に花を咲かせて別れ、他の列席者らとも会話を交わす。そうしてひと息ついたタイミングで、オズモルトさんとエリックさんがシャンパン片手に語らっている姿を見つける。今日はふたりとも列席者として挙式に参加してくれていたのだが、既にすいぶんと出来上がっている様子で、私の視線には気づいていないようだ。
「ジンガルド様も既婚者となりましたし、そろそろ私も嫁捜しに本腰を入れますかね~」
 オズモルトさんが「ねぇ?」と言いながらつついた胸のポケットには、ブリザードフラワーに加工された幸運を呼ぶ赤い薔薇が刺さっている。
 まぁ、いったいいつどこで手に入れたのかしら?
 興味を引かれつつふたりに声をかけようとしたら、エリックさんが酒精のせいだろうか、頬を紅潮させて呟く。
「純白の婚礼衣装で祭壇に立たれた姿が本当に様になっていて……あぁ、あれは惚れる」
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