姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 私はアルフリードの入学式とサドニア神聖王国領の視察を兼ね、無血開城をなしたあの時以来、実に十五年ぶりにこの場所にやって来ていた。改修により、離宮だった建物は見違えるように綺麗になった。庭の草木もしっかりと整えられ、花壇にも季節の花々が丁寧に植えられている。さらに入学式を迎えれば、多くの子供たちでさぞ賑やかになるのだろう。
 だけど、賑やかになったのはこの離宮だけじゃない。
 私とジンガルドの統治下で、サドニア神聖王国領は見事に息を吹き返した。それは単に光の加護が戻ったというだけではなく、ジンガルドが統治体制を徹底的に見直したことも大きい。
 これならば数年後、安定した状態でこの子に継承させることができるだろう。
「まだいやぁよ。時期が来たら嫌でも離れなくちゃならないんだから、あと数年は引っ付く予定よ。こうやってね!」
「わっ」
 悪戯めかして、アルフリードをバフッと腕に抱きしめた。
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