姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
サドニア神聖王国は王族含め、一夫一妻。王妃様は夫の不貞をそれはそれは怒ったという。結果、王に負けない権力を持つ王妃様の機嫌を損ねたくない王宮中が結託し、意図を持って私をここに閉じ込めて存在を無視している。けれど、無視だけでは飽き足らないやからもいて……。
それがこの第一王女クラリッサと第二王女マリッサ。私よりひとつ年上の双子の姉たちだ。
「いやあね、クラリッサったら。よく見て? あれは猿じゃなくて離宮に住み着く下賤の妹、フィアンナじゃないの」
私には前世の記憶がある。全部が全部を覚えているわけではないが、前世の私は佐戸杏奈という成人女性で、会社勤めをしながら気ままなおひとり様暮らしを満喫していた。
十三年前。光の乙女として覚醒し、同時に前世の記憶が蘇った五歳のあの日。私は文字通り生き返った。
それがこの第一王女クラリッサと第二王女マリッサ。私よりひとつ年上の双子の姉たちだ。
「いやあね、クラリッサったら。よく見て? あれは猿じゃなくて離宮に住み着く下賤の妹、フィアンナじゃないの」
私には前世の記憶がある。全部が全部を覚えているわけではないが、前世の私は佐戸杏奈という成人女性で、会社勤めをしながら気ままなおひとり様暮らしを満喫していた。
十三年前。光の乙女として覚醒し、同時に前世の記憶が蘇った五歳のあの日。私は文字通り生き返った。