姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
「そのダイ……なんとか鉱山ってのの寿命が光の石にも当てはまるとは限らないだろ? そもそも、なんだよその鉱山、聞いたことないぞ」
「あーっと、そうね。たしかに、光の石はその限りじゃないかもしれないわね。鉱山の話はどっかの聞きかじりだから忘れてちょうだい」
 俺が反論を口にすれば少女はあっさりと引き下がり、誤魔化すように笑う。
 俺の主張が通った恰好ではあるが、『光の石も所詮資源』という言葉がやけに重く胸に残る。そして事実、光の石の鉱山は枯渇寸前なのだろうと思えた。
 少女に興味を覚えた俺は、隣に並んで腰を下ろし、さらに自分からいろんな話題を振った。打てば響く軽快な会話が心地よく、俺はつい身分は隠しつつ日頃の愚痴をこぼした。
「母は本妻や他の女の目ばかり気にして、息を殺すように生きているんだ。そして、俺にまでそれを強要しようとする。本当の俺はもっと評価されてしかるべきなのに、上昇志向のない母のせいで、それがままならないんだ」
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