姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 少女は違う違うと小さな手を振って弁解しているが……。
 自分の方が俺よりもっと子どもだというのを、ちゃんと分かっているのだろうか。
 俺には下に弟妹がおらず、年少の子と接した経験がなかったが、この少女は年齢の割にしっかりしすぎている気がした。女の子の方が早熟だと聞いたことがあるから、そのせいかもしれないが。
 なんにせよ、この少女と話しているとこっちの調子が狂ってしまう。
「これは私の意見だけれど、あなたは卓上のお勉強より、試合や競技会で勝つための剣術や馬術より、魔窟を生き抜く術を学ぶべきよ。自分を、そしてお母様を守りたかったら、そろそろ大人になってもいいんじゃないかしら」
「大人になる……それ、どういう意味だよ?」
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