姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 交流日というのは、新婚の皇帝夫妻が親睦を図るためにお膳立てされた休日のことだ。夫婦が一緒に昼食をとり、政務から離れてゆっくりし、なんならそのまま翌朝までゆっくり過ごせるようにと、この日だけは昼以降の政務予定が組まれない。
 聞こえはいいが何代目かの皇帝が妃と不仲で、月に一回医師が懐妊にもっとも相応しいと選んだ日を側近らが強制的に割り当てたのが始まりというから、大概下世話な仕組みだ。
 ただし、おかげで俺が明日朝まで自由な時間が持てるのは悪くない。
 ちなみに、俺と猿の場合は挙式はもとよりお披露目すら保留の状態なので、関係は宙ぶらりんのまま。どちらかと言えば、婚約期間中という認識が強い。オズモルトが猿を『妃殿下』ではなく『王女殿下』と呼ぶのはこのためだった。
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