姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 これはもう絶対においしいやつ! 
 私の期待は最高潮だ。食べ歩きが基本なので、私もサンドイッチを手に人波にのる。
 うわぁ、念願のサンドイッチおいしそう! こういうのは、豪快にかぶり付いてこそよね!
 食べるのに邪魔なフードをサンドイッチを持つのと逆の手で軽く払いのけ、大きな口を開けて今まさに噛ろうとした瞬間──。
「見つけた!」
 フードに掛けていた手がガシッと掴まれて、その衝撃でフードが脱げる。
 ギョッとして見上げる私と、突然の暴挙に及んだ男の目が合う。
「あぁ、やはり君だった!」
 ぇえええ、ジンガルド──っ!?
 激しく動揺し、サンドイッチを持つ手がビクンと震える。
 ──ベシャッ。
 無情にもサンドイッチが包みからこぼれ出て地面に落ちた。しかし、今の私にそれを嘆く余裕はない。
 なんで!? どうして!? そんな疑問で脳内はいっぱいだ。
 とにかく、この状況を脱しなけいと!
「は、離してください」
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