姉たちに虐められてきたけど「能無しのフリ」はもう終わり。捨てられ先では野獣皇帝の寵愛が待っていて!?
 しかも今回は彼が現れなければ、あとほんのコンマ何秒かで口いっぱいにジューシーなお肉を頬張っていたはずで。
 皇帝のくせに、いったいどんな頻度でナンパして歩いてるのよ!? ほんと、女の敵──っ!!
 内心でジンガルドへの怨嗟を叫びつつ、到底今さら買い直す気にもなれず、前回に引き続きとんぼ帰りするはめになった。
 ただし、前回とは違ってただ泣き寝入りするだけの私ではない。
 部屋に帰り着くや、扉を開ける。
 ──ギィイイ。
「おや、フィアンナ様。もう起きられたのですか?」
 例のごとく『ゆっくり休む』と伝えてあったので、思いの外早く扉から顔を出した私に廊下で立番をしていたエリックさんが首を傾げた。
「エリックさん、申し訳ないんですが小腹が空いちゃいまして」
「でしたら、なにか運ぶように申し付けましょうか?」
「ぜひっ! あと、もし可能ならお肉が分厚く挟まったサンドイッチとアイスクリームでお願いしたいです!」
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