婚約破棄されたので、契約母になります~子育て中の私は、策士な王子様に翻弄されっぱなしです~
第6話 子育てはドキドキします!?(2)
「と、まあ。君なら大丈夫だよね。あんな勇ましく婚約破棄されても言い返した君なら」
「ご覧になっていたのですか!?」
「ああ、国家学院だから、行事には王族も出席することになっていて、だいたいは僕が参加しているよ」
大人二人で難しい話をしているのが気に入らなかったのか、ルイトがごね始める。
「ねえ、お兄ちゃんもあそぼ~よ~」
「あっ! ルイト様っ! こちらは第一王子であらせられる……」
急いでヴィルが王子であることを伝えようとしたフローラを彼は制止した。
「僕はヴィルっていうんだ。僕も一緒にあそんでくれる?」
「うん! いいよ! じゃあ、みんなでかくれんぼしよー!」
「ヴィルがさがしてね!」と言いながら、ルイトは走っていく。
「申し訳ございません、王子」
「ほら、君も! ヴィルって呼んで!」
「ですがっ!」
「呼ばないと失格にするよ」
(そ、それは職権乱用では……?)
さすがの言い分にフローラは心の中でそう思ったが、それが顔にも出ていたらしく、ヴィルは笑った。
「はは、冗談だよ。でもヴィルって呼んでほしい。ルイトにもそう呼んでもらうことになったしね」
「そ、それでは、僭越ながら……ヴィル様、と呼ばせていただきます」
「うん、ありがとう! あ、じゃあ僕が探す係だから、フローラも隠れて! ほら、早くっ!」
そう言ってヴィルはフローラの背中を押した。
(わっ! 王子とまさかかくれんぼをするなんて……)
そう思いながら、庭で隠れる場所を探す。
(えっと……ルイト様はうまく隠れたかな……?)
ルイトの心配をしながら、自分の隠れる場所を探す。
(急がないともう時間経っちゃう!)
フローラはキョロキョロしながら、自分の隠れる場所を探すが、なかなか見つからない。
実は彼女が寮生活をしている最中に、母親であるエミリが庭のリメイクをしていたのだ。
それで昔あった離れや庭園の噴水、そして小屋が多くあったのが、いろいろすっきりなくなってしまっていた。
(う~ん。あそこの小屋がいいと思ったのに……)
あてが外れたフローラは、新しくたった小さな温室の中に隠れることにした。
(ここならすぐにはバレないかな)
そう思いながら、近くの植木鉢の傍に隠れる。
「ご覧になっていたのですか!?」
「ああ、国家学院だから、行事には王族も出席することになっていて、だいたいは僕が参加しているよ」
大人二人で難しい話をしているのが気に入らなかったのか、ルイトがごね始める。
「ねえ、お兄ちゃんもあそぼ~よ~」
「あっ! ルイト様っ! こちらは第一王子であらせられる……」
急いでヴィルが王子であることを伝えようとしたフローラを彼は制止した。
「僕はヴィルっていうんだ。僕も一緒にあそんでくれる?」
「うん! いいよ! じゃあ、みんなでかくれんぼしよー!」
「ヴィルがさがしてね!」と言いながら、ルイトは走っていく。
「申し訳ございません、王子」
「ほら、君も! ヴィルって呼んで!」
「ですがっ!」
「呼ばないと失格にするよ」
(そ、それは職権乱用では……?)
さすがの言い分にフローラは心の中でそう思ったが、それが顔にも出ていたらしく、ヴィルは笑った。
「はは、冗談だよ。でもヴィルって呼んでほしい。ルイトにもそう呼んでもらうことになったしね」
「そ、それでは、僭越ながら……ヴィル様、と呼ばせていただきます」
「うん、ありがとう! あ、じゃあ僕が探す係だから、フローラも隠れて! ほら、早くっ!」
そう言ってヴィルはフローラの背中を押した。
(わっ! 王子とまさかかくれんぼをするなんて……)
そう思いながら、庭で隠れる場所を探す。
(えっと……ルイト様はうまく隠れたかな……?)
ルイトの心配をしながら、自分の隠れる場所を探す。
(急がないともう時間経っちゃう!)
フローラはキョロキョロしながら、自分の隠れる場所を探すが、なかなか見つからない。
実は彼女が寮生活をしている最中に、母親であるエミリが庭のリメイクをしていたのだ。
それで昔あった離れや庭園の噴水、そして小屋が多くあったのが、いろいろすっきりなくなってしまっていた。
(う~ん。あそこの小屋がいいと思ったのに……)
あてが外れたフローラは、新しくたった小さな温室の中に隠れることにした。
(ここならすぐにはバレないかな)
そう思いながら、近くの植木鉢の傍に隠れる。