うしろの正面だーあれ



『なっ…泣くなって…!』



『うぇ〜〜』



『ったく…』



しょうがないな、という顔をして、隆史は咲子の涙を自分の袖で拭いた。



『もぉ〜…何で生きてるのよ…』



『あ、死んだ方が良かった?』



隆史がおどけた風に言うと、咲子は大きな声で反論した。



『生きてる方が良いに決まってるじゃん!!!』



『分かったって!
…それにしても奇跡だよなぁ。』



『うん…。』



『あのタイミングで鶴田に助けられるとは…。』



『え…?』



『鶴田がさぁ、行っちゃダメだって俺の袖 引っ張ったんだよ。
最初は何言ってんだって思ったし、ちょっと怖かったけど、目が真剣だったから…』



『そうだったんだ…。』



『鶴田って、けっこう良いヤツだよな。なのに、何でいじめてたんだろ…。』



『うん…。私も、何で殺しちゃったんだろう…。良い子だって分かってたのに…』



『俺も亀井殺しちゃってさ…。
そういえば、鶴田はよく現れるのに亀井は現れねぇよな。』



『私は何回か見たよ。
喋ったし…』



『そっか…。』



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