うしろの正面だーあれ
まだ小学生の咲子に、行く当てなどなかった。
ましてや、友達も今はいない。
隆史の家も知らない。
咲子は、仕方なく近所の公園に行くことにした。
と言っても、ここ最近は来ていない。
いや、行かせてもらえないのだ。
それは、この公園に住み着いているホームレスのせいだった。
咲子自身は、青いビニールシートの中身がどうなっているか興味津々だったし、悪い人では なさそうだと思っていた。
しかし、母親が許さなかったのだ。
どこの親も、こぞって同じことを言う。
“ホームレスの人に近付いちゃ駄目よ!”
“ずっとお風呂に入ってないから汚いのよ!病気でも移されたら たまったもんじゃないわ!”
“公園に行くなら、別の公園に行きなさい!”
子ども達、は渋々それに従った。