うしろの正面だーあれ
咲子は公園の入口で止まり、中を見渡した。
今日も誰も居ない。
咲子は、公園のブランコに腰掛けた。
ギィ・・
ギィ・・
錆び付いた鎖の音がする。
なんだか虚しかった。
『お嬢ちゃん…。』
咲子は一瞬ビクッと肩を揺らし、上を向いた。
そこには、1人のホームレスが居た。
『これ、食べるかい?』
ホームレスが差し出したのは、1枚のチョコレートだった。
『知らない人から物を貰っちゃ駄目よ!』
母親の言葉が頭に響く。
『…おじさん、ありがとう。』
母親の言葉をかき消して、咲子がそれを受け取ると、ホームレスは優しく微笑んだ。