うしろの正面だーあれ
『…俺が何とかしてやるよ。』
隆史は、真っ直ぐな瞳でタケルを見た。
その眼差しに、タケルの目は泳いだ。
それは、心の揺らぎだったのかもしれない。
不可能を可能に出来るかもしれないと、隆史を見て思った。
しかし、そんな些細な心の変化には耳を貸さずにタケルは呟いた。
『…無理だよ。』
『え…?』
『あいつら、人の血なんて通ってねぇよ…。』
『タケ…』
『無理だ。お前みたいな温かい奴には…。勝ち目はねぇよ…。』
『タケル…。』
隆史は それ以上、何も言えなかった。
『隆史、余計なことはするな。』
『………………。』
『…俺さえ我慢すれば、全て上手く行くんだ。』
『だけど…』
『俺には守りたいものがあるんだ。例え 自分が辛くても苦しくても、あいつを守るためなら苦にならない。』
そう言ったタケルの瞳は真っ直ぐで、その黒々とした瞳はキラキラと輝いていた。