うしろの正面だーあれ
黙りこくる楓に嫌気がさしたかのように、タケルは溜め息混じりに言った。
『何回言ったら分かるかなぁ。』
その言葉に楓は動揺を隠せない。
益々 目は泳ぎ、冷や汗までかく始末。
指が微かに震えている。
『俺はお前が…』
タケルが何か言いかけたそのとき
楓の後ろに、ある者が現れた。
その姿を見て、先程まで落ち着いていたタケルの顔からは、冷静さが一瞬にして消えた。
楓と同様 目は泳ぎ、明らかに焦っている。
そんなタケルに気が付いた楓は、ゆっくりと振り返る。
そこには、不敵な笑みを浮かべた杏奈が居た――…