うしろの正面だーあれ



『…っ
二度と来んな!!!』



タケルの言葉に、楓は一歩 後ずさる。



そして、涙の溜った目でタケルを見た後 反転し、物凄い勢いで走り去った。



杏奈を横目にしながら――…






ごめん…



ごめんな楓…



こうするしかなかったんだ。



杏奈の目の前で 俺達が関係ないところを見せておかないと、お前が酷い目に遭う。



それでなくても疑われてたんだ。



杏奈が現れたのが その証拠。



きっと楓の後をつけてたんだろう。



だから俺は…



こんな形になってしまったけど…お前を守ったつもりだよ。



あの言葉、本当は楓に言ったんじゃない。



杏奈に言ったんだ。



でも…気付く訳ないよな。



楓の目を見て言った…。



そんなの、楓に向かって言ってるって思うに決まってるよな…。



お前はきっと…もう、俺のことなんて好きじゃないだろうけど…



俺はお前が…好きだ。



好きだよ 楓…。



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