うしろの正面だーあれ
ったく…
コンッ・・
コツッ・・
窓に何かが当たる音がして、タケルは警戒しながら窓を開けた。
ゴッ
『痛っ…』
『あっ…ごめん…!』
おでこを押さえながら視線を上げると、そこにはピンク色のパジャマを着た楓が居た。
『アメちゃん、あげる!』
『え?』
『それ!』
楓の指差す方を見ると、先程タケルのおでこを直撃した物体が足元に転がっていた。
『ああ…サンキュ…。』
『うん!…タケちゃんは まだ熱下がらないの?』
『…もう大丈夫だよ。』
『そっか!良かった!
上着、貸してくれてありがとね!それだけ言いたかったの。』
『…うん。』
『じゃあ、またね!
ばいばいタケちゃん!』
『ばいばい。楓…。』
このときからかな。
本当は、もっと前からかな。
俺が、楓を好きになったのは。
チィコが、教えてくれたのかな。
あのときのチィコの気持ちは、今も解らないけれど――…