うしろの正面だーあれ



今 思えば無理もないと思う。



憂が孤児だということは あたししか知らないはずだったんだから…。



だけど、そのときのあたしは まだ幼くて。



憂の気持ちまで考える余裕がなかった。



自分のことで精一杯だった。



だから



あのとき、憂の心を完全に閉ざしてしまったのは あたしかもしれない。



憂の あまのじゃくな言葉は、あたしに助けを求めるサイン。



お前のこと、信じてるよ、のサイン。



嫌いにならないでね、のサイン…。



ちょっと考えれば分かるはずだったのに。



あたしは、ヒーローに裏切られた可哀想な悲劇のヒロインに、どっぷり浸ってしまったんだ。



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