うしろの正面だーあれ
ここからは あたしの知らない話だから、語り手は憂にバトンタッチするね。
『…寒ない?』
黙って歩いていた未衣は、顔だけ横を向いて俺に訊いた。
『…かなり。』
『ファミレス入ろっか?』
そう言うと、未衣は近くのファミレスに入った。
俺もその後を追う。
店内に入ると、生暖かい空気が体に染み込んだ。
『修羅場ったな!』
『………………。』
『…ごめんな?
彼女、殴ってもぉて…。』
『いや、彼女じゃねぇし。』
『…でも好きやねんやろ?』
『………………。』
『ん?』
そう言った未衣の目は真っ直ぐで、優しくて。
何もかも見透かされているようだった。
『初めて会った奴にすら分かることだよな…。けど、肝心のあいつが気付かねぇんだよ…。』
『もしかしたら気付かんフリしてるだけかもしらんで?』
『え?』