うしろの正面だーあれ
「あたし、事故ってさ。
本当、助かったのが奇跡なんだけど…。
でもやっぱ代償は大きくて。」
咲子は、まるであの頃に戻ったかのように、朝子が病院から落ちた光景を鮮明に映し出した。
「どんなにリハビリ頑張っても、体は言うこと聞かなくて。
悔しくて悔しくて悔しくて。
死んだ方がマシだって、何回も思った。」
朝子の話を聞きながら、咲子と沙良は涙を流した。
隆史も、俯いていた。
「けど、違ったんだ。
手首を切りつけてたのは、死にたいからじゃなくて、生きてる実感が欲しかったからなんだって気付いたの。」
コクコクと、涙を流しながら頷く沙良。
「頭の手術する為に髪も剃られてさ。本当、生きてる自分が恥ずかしいって思うこともあったんだ。
…けど今、生きてて良かったって思ってる。
この傷もね、勲章ってやつ。」
そう言って、朝子はニコッと笑った。