うしろの正面だーあれ
「朝子ちゃん…9階から落ちたんだよ…。」
咲子が沙良に教える。
「え?違うよ?」
朝子が否定する。
「え、何が…?」
咲子は涙を拭きながら、キョトンとした目で朝子を見ている。
「9階から落ちて助かる訳ないじゃん!しかも、あたしが落ちたの、コンクリートの上だよ?」
なるほど、普通に考えておかしい。
「じゃあ、本当は何階から落ちたの…?」
「3階だよ。」
「そっか…。」
3階でも助かったのは充分 奇跡と言える。
何せ、彼女が落ちた所はコンクリートの上だったのだから。
「私、ずっと勘違いしてたんだ…。てっきり朝子ちゃんは屋上から突き落とされたとばっかり…」
咲子はハッと口をつぐんだ。
「突き落とされたって…?」
沙良の問いに、答えは返ってこなかった。