うしろの正面だーあれ



翌日――



杏奈の机の上には、水の入ったジュースの缶に、1輪の花が刺さっていた。



教室に入るなり隆史の目に飛び込んできたそれは、いじめ以外の何物でもなかった。



「お〜 可愛いじゃん、これ。
何て言う花?俺、もーらいっ♪」



そう言って隆史は缶ごと持って行き、自分の机の上に飾った。



何人かが互いに目を合わせていた。



それを、隆史は気付いていた。



だけど知らないフリをした。



少しでも平和に過ごしたかったからだ。



最期の、時間を。



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