うしろの正面だーあれ
“バカじゃねえ!”
メールを送り、受信を待つ。
“好きな女の子の気ィ引きたいだけじゃん。バ〜カ。バレバレなんだよ。ガキかっつーの。
しかも何だよ、トイレに水没て。
もうちょっとマシな嘘つけ。”
タケルは絵文字や顔文字を使わない。
隆史は少しむぅっとして、タケルに送った。
“バカはお前だろ?
いつまで楓のこと待たせんだよ”
キーンコーンカーンコーン・・
キーンコーンカーンコーン・・
やりとりの途中でチャイムが鳴った。
カチンと携帯を閉じ、ポケットにしまう。
その日 一日中、隆史が授業中に寝ることはなかった。
いつもであれば、1限目から寝ている彼が起きていたことに違和感を覚えた者は、果たして居たのだろうか。
咲子でさえ、気付かなかったことかもしれない。