うしろの正面だーあれ
振り返ると、そこには沙良が立っていた。
「隆史くん…。憂のお見舞い、来てくれたんだ…。」
「ああ、後でお前んとこも寄るつもりだったんだけど…。」
そう言うと、沙良はニッコリ笑って「ありがとう。」と言った。
「…これ、亀地が?」
そう言って、隆史は折り鶴を指でつまんだ。
「あ、そう。あたしが作ったの。
青が憂でピンクはあたし。
黄色は…一喜くん…。」
「………………。」
「ホントはね、悪い人じゃないの。憂のことも大切にしてたし、あたしにも優しくしてくれた。
…憂も、一喜くんが大好きなの。
大好きだから、助けたい…。
…そう思って、あの日…」
「亀地…。」
「…憂は、あたしも一喜くんも、両方 救おうとしてくれたの。」
そう言って、沙良は黄色の折り鶴とピンクの折り鶴を手に取った。
その瞳は涙に濡れていたが、流すことは決してしなかった。
隆史は、そんな彼女を見つめることしか出来なかった。