うしろの正面だーあれ



「あと5日の間に、目ェ覚めたらいいんだけどな…。」



隆史が独り言のように呟いた。



「…何で あと5日なの?」



そう言われた隆史は、もうギクリとはせず、寂しそうに笑った。



「好きって伝えたか?」



「…うん、伝えたよ…?」



「そっか。」



なら、尚更――…



辛い思いをすることになっちまうな…。



伝えろって言ったのは俺なのに。



矛盾しすぎだよ…。



大切な人が幸せになることが、こんなにも難しいのか…?



いや、分かってたことだ。



でも!



今、俺は此処に居るのに。



何も出来ないなんて、昔の俺と一緒じゃねぇか…。



…分かってる。



変えてはいけないことも、ちゃんと分かってるけど!



本当に何も出来ないのか…?



ただ、見過ごすしかないのか…?



たった1人を救いたいが為に…?



他は全て見捨てるのか…?



本当は、皆 救いたいのに…。



皆 救えれば、何も悔いは無いのに…。



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