うしろの正面だーあれ



「…悪い、帰るわ。」



「あ、うん。ありがと…。」



突然 別れを切り出されたことに少し驚いた沙良は、急ぎ足で帰っていく隆史の背中をただ見つめることしか出来なかった。






ある病室の前で、隆史は立ち止まる。



ガラッ



「タケル!」



「!」



憂の病室にはタケルが居た。



「隆史…。
何だよ いきなり。
ちょっとビビったじゃん…。」



そう言って、タケルは肩を下ろした。



「…見舞いか?」



隆史は窓に近付きながら問うた。



「…まぁな。」



「仲良かったっけ?」



隆史が茶化すように尋ねる。



その問いに、タケルは困った顔をして笑った。



「クラスの奴が入院してても、仲良くなかったら見舞いにも来ちゃいけねぇのかよ…。」



その言葉に隆史はフッと笑った。



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