うしろの正面だーあれ



「…お前も…全て救おうとか思うな。…でないと、一番守りたいものさえ守れなくなる。
…鶴見の二の舞になるぞ。」



それだけ言うと、タケルは病室を出ていった。



「一番守りたいもの…か…。」



静かな病室に、隆史の呟く声が虚しく響いた。



「…なぁ、憂。
タケルの方が、正しいのかな…。
あれもこれも守りたいなんて、そんなの出来っこないのかな…。
お前がその見本か…?なぁ、憂…。答えてくれよ…!憂…!」



ダンッ・・と憂のベッドへ拳を振り下ろし、隆史は そのまま崩おれた。



「目ェ開けろよ…憂…。」



どうすることも出来ない自分が歯がゆい。



どうにもならない現実がもどかしい。



どんなに問いかけたって



どんなに叫んだって



応えは返ってこない。



世界は、真っ暗だ。



明けない夜は無いなんて嘘。



真っ暗な闇が…、明けない夜が、此処にあるじゃないか。



月も星も無い、真っ暗闇に眠るのは、勇敢な王子様。



1人の姫と、呪いをかけられた野獣の両方を助けようとした、立派な王子。



君を、今度は俺が救いたい…。



それだけなのに



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