うしろの正面だーあれ



彼女の予想外の言葉に、朝子と隆史の時間だけが止まった。



教室のざわめきも



スピーカーから流れる音楽も



何も聞こえない、無音の世界。



ただ1つだけ、ただ1つだけ聞こえるのは、二度と聞きたくなかった歌。



その忌まわしい歌が、無意識に頭の中で流れている。






少女達の幼い歌声



手と手を繋ぎ、ぐるぐる回る。



真ん中に、ひとりを置いて…。






その歌は、何度も何度も繰り返す。



カセットレコーダーのようにカチッと停止ボタンを押すことが出来たなら



ウォークマンのようにポチッと停止ボタンを押すことが出来たなら



今すぐにでも停めることが出来るのに。






頭の中で何度 停止ボタンを押したって、その歌が鳴り止むことなど無かった。



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