うしろの正面だーあれ
「あ…ふぅっ…ハァッ・・ハッ・・」
朝子の脳裏に蘇ったのだろう。
何せ、彼女は二度も事故に遭ったのだ。
その恐怖は量り知れない。
「朝子…落ち着け…。」
隆史は朝子の肩を抱き、擦りながら囁いた。
「大丈夫だから…な?
ゆっくり深呼吸してみな?」
そんな隆史の言葉も、朝子の耳には届いていなかった。
そんな2人を虚ろな目で見ていた咲子に、何者かが再び彼女の耳元で囁いた。
『どう思う?好きな人が、他の女の肩を抱いてるんだよ。』
「や…だ…。」
『しかも、相手は君の親友だ。』
「親…友…。」
『そう、親友。君は思っていたね、彼女のことを親友だと。
だけど どうだい?彼女は君を裏切った。』
「朝子ちゃんが…裏切った…。」
『そう。…君はどうする?
裏切った者には、制裁を下さなくちゃならないだろう?
彼女を、殺したくならない?』