うしろの正面だーあれ



隆史の言葉を聞いた後、クラスは納得したかのように、元の賑やかな教室に戻っていた。



しかし、未だに咲子は突っ立っているし、朝子の目は泳いでいる。



「す…座りな…よ…。」



微かに震える声で、朝子は言った。



ビクッと肩を揺らし、咲子は垂直にストンと座った。



妙に唾液が大量に出てくる。



手は未だに冷たい。



虚しい程に明るい曲が流れる中、それ以降 一言も交わさずに、咲子と朝子は視線を何処ともなく彷徨わせるだけだった。



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