うしろの正面だーあれ
『チッ・・』
憎しみをたっぷりと込めた舌打ちをし、人とも言えぬ人は咲子の傍から消えた。
「まだ弁当食ってねぇじゃん。
もう昼休み終わるぞ?
…早く食え、ほら。」
そう言って、隆史は咲子のお弁当の中からウィンナーを取り出し、咲子の口元へ運んだ。
「…ごめんなさい。」
「え?」
「痛かったよね…ごめん…。」
咲子がウィンナーを食べない為、何故か代わりに隆史が食べた。
「別に痛くねぇよ。
男の勲章?ってやつ。」
あぐあぐしながら言い、指に付いた油をペロリと舐めた。
「早く食わねぇと全部食っちまうぞ!」
そう言って再び手を伸ばし、今度はハンバーグをつまんで咲子の口元へ持っていく。
少し困った顔をした咲子だが、隆史の目力に負け、頬を赤らめながら小さく口を開けた。
「イイコ イイコ。」
そう言ってニカッと笑う隆史に、咲子の頬は益々 赤みを帯ていった。