うしろの正面だーあれ



いつもと何ら変わりなかった。



教室の中だけではなく、この病室も。



憂は、いつものように眠っているだけ。



目を覚ますことなく、眠っているだけ…。



それなのに



いつもと何も変わらないのに



何故。



何故、こんなにも悲しいのだ。



憂にとっては、生と死に、たいして変わりはなかった。



生きていても眠ったままで



死んでも眠ったままの憂を見て



何故こんなにも涙が溢れるのだ。



ピッ・・ピッ・・という、規則正しい電子音が聞こえない。



スコー・・スコー・・という寝息が聞こえない。



ただ、それだけなのに。



何故。



何故、こんなにも体が冷たい…。



何故……何故。






隆史の足元では、沙良が憂に覆い被さっていた。



何度も、何度も、愛する人の名を呼びながら。



その声はかすれ、涙のせいか鼻声だった。



それはなんとも痛ましく、心が張り裂けそうな、悲痛な叫びだった。



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