うしろの正面だーあれ



チャイムが鳴り、担任が教室に入ってくる。



彼もまた、明らかに暗い表情をしていた。



各々が席に着き、担任が静かに話し始める。



すんすんと鼻をすする音が絶えず聞こえ、涙が声となって現れる者も居た。



担任が教え子の死を告げたとき、悲しみは最高潮へと達した。



隆史の瞳からも、窓辺を見ながら一滴の涙が頬を伝った。



静かに頬を濡らす者も居れば、子どものように泣きじゃくる者も居た。



男も女も関係なかった。



ただ、悲しかった。



悔しかった。



どうにも出来ない悲しみを



何も出来なかった自分を



消化しきれない思いが、涙となって現れた。



ただそれだけ。



泣くことに、意味なんて無かった。



少なくとも、今はただ…。



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