うしろの正面だーあれ



それでも授業をやらない訳にはいかず、すすり泣く声の中、教師は無理に明るく授業を始めた。



どれ程やりにくい授業だったことだろう。



授業が終わっても、休み時間に友達同士で集まれば再び泣き始め、その涙を授業にまで持ち越す。



その繰り返し。



昼休みに食べたお弁当の味は、よく分からなかった。



そもそも、昼にお腹がすいていないことさえ珍しかった。



教室中を見渡してみても、箸が進んでいる者はほとんど居なかった。



隆史も、咲子や朝子のところへ行こうとはしなかった。



自分の席から、ずっと窓の外を見ていた。



死んだ魚のような瞳をして…。



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