うしろの正面だーあれ
「…ここや。」
そう言ってジョージが扉を開くと、くぐもった鈴の、カランカランという音が聞こえた。
「ママ、ええか?」
ジョージが言うと、カウンターの下からヒョコッと顔を出し、厚化粧の女性がガラガラ声で言った。
「あらっ!ジョージ!
セイちゃんも!
うふふ、今日も男前ね〜。」
つつ…とセイジの顎をなぞる。
ゾワッと体中の毛が逆立ち、鳥肌が彼を襲った。
「…あら?その娘は?」
チリチリの茶髪をかきあげて、ママは尋ねた。
「あぁ、憂の これや。」
そう言って、ジョージは小指を立てた右手を左手で隠しながらママに見せた。
「あら〜ん♪」
ニヤリと笑い、「ふぅ〜ん…」と鼻を鳴らしながら、舐め回すように沙良を眺めた。