うしろの正面だーあれ
黙っておにぎりを見つめていると、ママが少し困った顔をして笑った。
「あの子は美味しそうに食べてくれたんだけどねぇ…。」
「憂が…。」
再びおにぎりに視線を移す。
涙が込み上げてきた。
震える手を伸ばす。
口をこじ開けてかぶりつく。
口に広がる塩の味が
自分の涙とダブった。
憂が食べた味。
憂が美味しいと感じた味。
憂の求めた場所…。
「美味…し…」
涙をボロボロと落としながらおにぎりを頬張る沙良を見て、ママは何かを悟ったようだった。
目でジョージに問う。
それに目を伏せて頷くジョージ。
その答えを受け取ったママは、ひどく悲しい顔をした。
泣きながら食べ続ける沙良に向き直り、悲しそうに見下げた。
何度も口を開きかけたが、その口から言葉が出ることはなかった。