うしろの正面だーあれ



昨夜と同じ会場に入ると、沙良はストンと座った。



遺影を見つめる。



写真の中の憂は、笑っていた。



涙腺が緩む。



沙良は唇を噛み締めて俯いた。



導師が入って来る。



昨夜と同じなのだろうか、はたまた違うのだろうか、しかし同じように聞こえる読経を、沙良は聞いた。



ときどき出てくる“鶴見 憂”という言葉を探して。



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